蜂のアトリエ~養蜂日誌~

おいしい百花蜜はいかがですか?季節の味と香りを楽しんでください。

晩秋から大晦日までの38chanダイジェスト

f:id:atelier38:20211231002046p:plain

 

しつこかったオオススメバチの来襲が落ち着き、秋の採蜜はかわいそうだからやめよう!と、心に決めた10月。すると養蜂仕事から目を逸れた分、私の眼はダークなスポットに引き寄せられてしまったのでした。ガレージに取ってつけられたオトーサンの謎の構造物、そしてハウスという名の物置き・・・いや、魔窟に!

最初に「田舎暮らし」や「スローライフ」、ヤギを飼い、ミツバチを飼い、畑を耕す、そんな「素敵ライフ」に憧れちゃう皆さんにお伝えしたいことがあります。はっきり言って、そんな暮らしはスローじゃない。田舎はとにかくやることがいっぱい。ヤギも蜂も畑も重労働。泥まみれ埃まみれ、時間に追われ、怪我もするし、インドアの趣味のいくつかは諦めることになる。夜は10時には脳も体も停止してゆく毎日!スロー?はぁ?何が?スローな暮らしがしたいんなら街で暮らすことですよ!

 

f:id:atelier38:20220111165217j:plain

何時代製?調べたら1970年代に発売されたものらしい

そして田舎とは中々に汚いものです。ここでの「汚い」とは、何かに汚染されてる系の汚いではなく、散らかっている、雑然としているという意味です。広い敷地=たくさん物を置くところがある。そう認識してる訳ではないけど、色んなところに分散して置けるので、その量の膨大さに気づかずどんどん増やしてしまう方が「田舎」には多いかもしれません。いつか使うだろうと、微妙な物を捨てずにためる、よそから引き受けてはためる。そんな繰り返しで何があるのか忘れるほどに山積した物どもは、使われもせずにゴミになってゆく…。その様を見てきったねぇ!そう思ってしまったら最後、その嫌悪感を払拭するために片っ端からやっつけるしかないのです!魔王(=オトーサン)の作りあげた魔窟は、劣化した農業資材、サッシやドアや柱など解体したどこかの家の廃材、古い段ボールやらビニールやらゴザやらもうよくわからないゴミ山。そして吹き込んだ土埃でもれなく分厚くコーティングがほどこされ・・・。

一番上の写真はこれでも半分ほど片付けられたハウスという名の物置。シャカシャカ素材のヤッケ上下のフードをギュ~ッと絞り、わずかに出た目(笑)、鼻と口は彫刻家から支給された防塵マスクという即席特殊清掃員スタイルで戦い抜きました。マスクのフィルターの汚れっぷりときたら!捨てたゴミの量ときたら!!軽トラ山盛り一杯捨てに行ったほかに、ゴミ袋50枚はつかったことでしょう。ただ、金属類は売れるのが唯一の救いです。この特殊清掃に見合う金額にはなりませんけどね!!

この魔窟アタックは私にとって開拓史第3章です。ちなみに、第1章は危険生物が潜むジャングルアタック、第2章は魔人がうろつく平原アタックです。まあ怖ろしげに言いましたが、どこも現在私が住む土地の話(;^ω^) 詳しい内容は養蜂の話題がないときにお送りしたいと思います(笑)。また、まだまだ伏魔殿、魔城、魔境、魔所が存在しますので、開拓史は続いてゆきます。

一応言っておきますと、彫刻家は彫刻家で工具や重機を駆使してバリバリ開拓と清掃をしておりますよー。

 

f:id:atelier38:20220111112329j:plain 

他にやったことといえば、オトーサンの無人販売所にてスワッグやお正月飾りを作って販売しました。しめ縄は本当は藁ですが、藁は家畜用に必需品ですので使いません。茶色や白の紙紐を藁に見立てて縄づくり。他、我が家の敷地に生えているクリスマスホーリーやらキンカンやらアカシアやら松ぼっくりやら小枝やらをおしゃれに仕立てて飾ってみました。ドライフラワーにしたものを含め、花材は我が家に結構あるんでちょこちょこ売りに出していこうかと思います。

 

f:id:atelier38:20220111112358j:plain

安い養蜂ウェアで奮闘する私…

あとは、これもやりました。ミツバチの巣箱の合同。これが本当は一番大事な話題じゃないとは思うのですが、なんか変にドキドキしちゃって。

どうも蜂の数が増えず、秋の終わりになっても蜜がわずかにしか貯められない弱小の群がいたのですが、これをこのまま越冬させてしまうと全滅必至!ということで、今生きてる子達を救うためにお隣の元気いっぱい蜜いっぱいの群に同居させていただく事にしたのです。ミツバチの群にはそれぞれに匂いがあるので、いきなり違う群の子達を巣箱に入れると「テメエ、ドコノモンダ?!」と、殺しあいになってしまいます。それを防ぐために、お互いの匂いを馴染ませていく方法がとられるのですが、その一つが「新聞紙合同」です。失敗が少ない方法として推奨されていたのでこれを選択。巣箱の1階に元気群、2階に女王バチを抜いた弱小群を重ね、その間に新聞紙を1枚挟むのです。すると上から下から蜂たちが新聞紙をかじりはじめ→2,3日そんなことをしているうちに穴が開いて1階2階の行き来ができるようになり→匂いが馴染んで仲間になってしまうという!という作戦らしいのです。新聞紙の屑が巣門から出てきたら成功のサインらしいのです。手順はだいぶ端折りましたが、実際には指南書数冊を参考に正しく行いました。でも3日待っても新聞紙の屑は出なかったんです…(◎_◎;) つまり、新聞紙は齧られていない、2階の弱小群は出入り口のある1階に行けていないということで、監禁状態です!あわわ・・・越冬失敗どころかその前に死んでしまう!!と冷や汗をかきながら巣箱を開けると、新聞紙の上に10匹ほどお亡くなりあそばしていたものの、よかった!生きてる!

では次の作戦、日本酒合同!!これはそれぞれの巣牌と蜂に日本酒を吹きかけて匂いをごまかす作戦です。霧吹きでシュッシュしたら元気群の巣箱の中に、弱小群を巣枠ごと入れていきなり同居させてしまいます。上手くいくのか・・・巣箱はしばらく怖くてあけませんでしたが、翌日も翌々日もけんかして出た死骸もなし、いつも通りに元気にブンブンお仕事に出かけているので成功したようです。・・・なんだ、日本酒のほうが簡単じゃないか・・・というわけで、合同の話は、私の手により弱小群の女王はおろか、働き蜂達も天国送りにしてしまう可能性があって((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル、成功が確定するまでは書く気になれなかったということでございます。

 

f:id:atelier38:20220111180339j:plain

 

f:id:atelier38:20220111180621j:plain

 

そんなこんな11月、12月。あとはショウガ栽培大成功したり、何かにつけて焼き芋したり。大晦日には記事をあげたかったのに間に合わず。結局年明けちゃいました。令和4年1月はすでに養蜂ニュースがございます。遅くならないうちに記事にしますので、本年もよろしくお願いいたします。