蜂のアトリエ~養蜂日誌~

おいしい百花蜜はいかがですか?季節の味と香りを楽しんでください。

蜜蝋の使い道

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初夏に採蜜した1群から、これだけの蜜蝋が取れました。20ℊ×11個、100ℊ×2個。蜜を分離させた後、湯洗い、精製までスピーディにやってのけたので、ハチミツの香りがほんのり残る、黄色の美しい蜜蝋になったではありませんか。これはキャンドル作ったり、木工用のクリーム作ったりしてハチミツと一緒に売ってみるか。(自分用にリップや保湿クリーム作ったりする分はもちろん確保)

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こう↑して、自森(自分ちの森)で、自森産の薪で湯を沸かして、玉ねぎネットに詰め込んだ巣牌を溶かしていくわけですね。魔女みたい。この後の経過はいつも通り写真ないんですが…。簡単に説明すると、鍋が冷えると、溶けた蜜蝋が水の表面に固まっているので、それを取り出します。改めて鍋に湯を沸かし、取り出した蜜蝋を湯煎で溶かします。液体になったら晒布で濾します。お好きな型に、量を測りながら注ぎます、固めます。以上です。

蜜蝋ワックス

それを使って、キャンドルだの木工用クリーム(蜜蝋ワックス)を作ってみましたが私の直売所ではほとんど売れません(笑)。一般的には蜜蝋の貴重さや蜜蝋の使い道は知られていないんでしょうね。うちのは、脱臭や脱色もしていない、変な薬品も使用していない、国産品なんだけどなー。なんでなんでと、気を揉んだのも一瞬でした。蜜蝋にはぴったりの使い道があったのです。

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私は、セイヨウミツバチを巣枠式で飼うにあたって、巣枠に張る「巣礎」というものが嫌でした。まず、巣礎の成分は蜜蝋だけでなくパラフィンだのなんだの天然成分以外のものが含まれているまた、また、はちみつの大量収穫を目的としているから。巣礎はすべて蜜を集める働きバチ(メス)サイズの巣房で、蜜を集めないオスバチが生まれる量を調整しているんだそうです。でも、オスバチも必要だから繁殖時期にたくさん生まれるのに…。

日本では野外で冬越しできず、スズメバチともうまく戦えないセイヨウミツバチ。野生暮らし可能な二ホンミツバチみたいに家出もなかなかしないので、私はなるべく労りたいのです。で、巣枠の巣礎なし飼育です。これは試みている方はいるようで、ネットに上がるその方々の断片的な情報を集めて私も始めてみました。巣枠の上部に巣牌を作り始める足掛かり部分(木の出っ張り)を作る。そこに彼女らの匂いがする、建築材料の蜜蝋を塗ってやるのです。そうしたら上の写真のように、感動するほど上手く巣作りを始めてくれました!巣礎があるより巣が出来上がるのはゆっくりでしょう。形も整然としたものではないでしょうけど。でも、もともとそれが自然なのだからそれでいいよね。

一つの巣箱につき、巣枠は10枠。それに蜜蝋を厚塗りすると結構つかうのです。枠の上部、横、場合によっては加える竹ひごにもなじむように塗りつけます。それで余った分を私が使って、それでも余ったらお売りしようかな。